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元看護師のワーホリ体験記

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【実録】IELTS 5.5でシドニーのAINは務まるのか?怒鳴られ、凹み、それでも生き残った私の生存戦略

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ぶっちゃけ、私の英語力は「4.5」からのスタートでした

​「シドニーでナース(AIN)として働いています」と言うと、決まって「英語ペラペラなんだね!」と返されます。でも、現実はそんなにキラキラしたものではありません。

​私の語学学校卒業時のレベルは、おそらくIELTS 4.5〜5.0程度。当時はなんとなくの雰囲気で話し、わからないことは曖昧な笑顔で誤魔化していました。

AINとして働き始めて10ヶ月経った頃、当時はダブルワークをしており繁忙期が重なった結果の32連勤という殺人的なスケジュールの合間に、少しだけ対策をして初めて受けたIELTSの結果が5.5でした。

​「完璧に準備が整ってから」なんて言っていたら、私は一生現場に立てなかったはず。ボロボロの英語力のまま飛び込んだ、シドニーの介護現場。そこにあったのは、教科書には載っていない「サバイバル」の日々でした。

​洗礼|「英語が話せないなら帰れ」と怒鳴られた日

​現場に入って最初に待っていたのは、利用者さんからの厳しい洗礼でした。

私のつたない英語が伝わらず、利用者さんの言っていることも聞き取れず、怒鳴られるのは日常茶飯事。「英語が話せないなら自分の国に帰れ!」と直接言われたことも一度や二度ではありません。

​ショックで泣きたくなる日もありましたが、そこで私が学んだのは「図太さ」という名の生存戦略でした。

​​「Sorry, I'm still learning. Could you say that again slowly?」

​「Could you say that more easily?」

そう根気強く、何度も繰り返してもらう。100%聞き取れなくても、拾った単語から「連想ゲーム」のように相手の意図を推測する。まったく聞き取れないなら書いてもらう。全文わからなくても、何が言いたいのかさえ分かれば、コミュニケーションは成立する——。そうやって、泥臭く食らいついていきました。

わからないことを曖昧にせず、1日に何十回も聞き返せる図太さが、結果的に安全を守り、信頼を勝ち取ることに繋がったのです。

​私を救った「耳から覚える」現場英語術

​教科書の100ページを覚えるより、現場の同僚が放つ「一言」の方が、私にとってはよっぽど価値のある教材でした。

​多国籍な現場は「3語文」が最強

​私の施設には英語ネイティブがあまりいません。スタッフはみんな、英語がセカンド言語。だからこそ、難しい言い回しは不要です。

短いセンテンスで、はっきりと」。これがミスを防ぎ、一番確実に伝わる方法でした。

「決まったフレーズ」の徹底的な型作り

​現場で使う英語の8割はパターン化されています。

(AIN英語フレーズについては、こちらで詳しくまとめています👇)

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私は難しい議論はできませんが、ケアに必要な「声かけ」だけは完璧に準備しました。

RN(正看護師)への報告など、しっかりした文章を話したい時は、今でも事前に翻訳アプリで調べて練習してから報告に行きます。

最初はスムーズに言えなくても、何度も繰り返すうちに、そのフレーズが自然と口から出るようになりました。

​日本人の先輩を「盗む」

私の​施設には幸いなことに日本人の先輩もいます。そして、ネイティブよりも、自分より少しだけ英語が上手い日本人の会話が、一番の参考書になります。彼らが使っているフレーズをそのままメモして、口に出して、自分のものにしていきました。

​「口癖」を決め打ちして出勤する

​「今日は絶対に "Sure!" を使いこなすぞ」「今日は "as well" を3回は口に出すぞ」。

そう決めて毎日現場に入りました。0秒反射で「Sure!」と言えるようになった時、自分がようやく英語を話せるようになってきた気がして、心の中でガッツポーズをしたのを覚えています。今では友達に「〜, right?」「〜, isn't it?」が口癖だね、と言われるまでになりました。

​英語力を「経験値」でカバーする裏ワザ

​1.5年働いて気づいたのは、英語力そのものよりも「どれだけ相手を知っているか」が会話のハードルを下げるということです。

​毎日同じ利用者さんに会うので、その人の好みや過去の話がどんどん蓄積されます。

「この人は朝はコーヒー派だったな」「昔はこんな仕事をしていたんだな」。

ゼロからのコミュニケーションは大変ですが、こうした「前提知識」というカンニングペーパーがあれば、つたない英語でも驚くほど会話が弾むようになります。

この情報収集戦略で実習からオファーまで結びついた実録はこちらの記事にまとめています👇

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医療単語は「後追い」で徹底的に

​ハンドオーバー(申し送り)の際、「PRN(頓服)」や「Endone(鎮痛剤)」といった固有名詞を知らないだけで、リスニングは一気に崩壊します。

最初は絶望的だったハンドオーバーも、分からない単語をその場でメモし、納得するまで後で調べる。それを繰り返した結果、今では半分聞き流していても内容が理解でき、自分の意見をその場で挟めるまでになりました。

カルテは最高の教科書

時間があるときは、電子カルテを読むようにしています。医師やRN、他のスタッフがどのように記録を書いているのか、既往歴は何か、利用者のバックグラウンドや好きなものは何か。最初はGoogleレンズ翻訳がなければ読めなかったけれど、繰り返すうちに読めるようになりました。良いフレーズや文法があれば真似をすることで、ライティングの練習にもなっています。自然と過去完了形などの文法を使えるようになったときは、すごく嬉しかったです。

「看護師としての観察眼」は世界共通

日本のERで培った「なんとなく顔色が悪い」「歩き方がいつもと違う」という気づきに、言語の壁はありません。言葉で説明できなくても、異常に気づいて「Look! This is different!」「I think it's not nomal.」「I feel a bit different from usual.」など簡単な英語でナースに伝えられる。その「気づく力」があったからこそ、徐々に信頼を得ることができました。

​シャワー介助は、世界一贅沢な英語教室

​私が今でも大切にしているのは、シャワー介助中にお年寄りから言葉を教わる時間です。

​「足の裏ってなんて言うの?」「ここは?」

学校では習わないような身の回りの物の名前を、彼らは嬉しそうに教えてくれます。耳で覚えるから綴りは未だに苦手だけど、「スペル教えて?」と聞けば、そこからまた新しい会話が生まれます。

​まとめ|100点を待っていたら、一生働けない

​「安易に大丈夫だよ、と言えるほど、医療の現場は甘くない」。

これは事実です。命を預かる以上、英語力の不足が大きなリスクになることもあります。

​でも、「完璧になるまで待つ」のは、チャンスを自分から捨てているのと同じこと。

IELTS 5.5。スペルもボロボロ。それでも、誠実に相手に向き合い、看護師としての観察眼を研ぎ澄ませば、心を通わせることはできます。

​もしあなたが、英語が不安で一歩踏み出せずにいるのなら。私のこの泥臭いサバイバル記が、あなたの背中を少しでも押す力になれば嬉しいです。

NURSE WORKING HOLIDAY

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          この記事を書いた人
  Marimokomame|元看護師
  日本で急性期内科病棟と救急外来で看護師として働いた後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。現在はシドニーの高齢者施設でAINとして働いています。  

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